「えっ、すごい…!これって私のぶんもあるの?」
「あるわ。ふたりで食べてってお友達に伝えておいて。あと、これからもゆらのことをよろしくねって」
「うわーん!ありがとお母さんっ」
部活終わりできっとお腹が空いているだろうからと、これは雅に私からのサプライズだ。
本当は私が作るつもりだったんだけど…。
ここはお母さんの優しさに甘えることにして。
「どっかいくの」
いつの間にかダイニングテーブルの椅子に行儀よく座っていたナナちゃんが、フレンチトーストを食べながら聞いてくる。
「お友達とショッピングしてくるんですって。新しい服を選んでくれるんだっけ?それがね、すっごく格好いい子なのよ~」
「そーなのそーなの!キャッチャーしてて、2年生なのにキャプテンなんだよ」
「そんなの少女マンガの王子様でしか知らないわ~」
少し前にお母さんに学校で撮った雅の写真を見せたとき、恋する乙女のように釘付けだったっけ。



