お姉ちゃんになった私は、毒舌クール義弟を手懐けたいので。





と、休みの日はこの時間まで寝ていることが通常どおりの義弟がようやく起きてきた。



「…どーもです」



相変わらずお母さんだけに挨拶を返してから、まだ眠たそうな表情で洗面所へ向かってゆく。


十波 七兎のこんな姿が毎日見られちゃうなんて、女子生徒が知ったら発狂レベルだろうなあ…。



「おじさん、トマトは順調?」


「順調だよ。ちょっと腰にくるけどね…。でも、日当たりも良さそうだから上手くいきそうだ」


「楽しみだなあ~。それと帰りに湿布買ってくるね」


「ははは、ありがとうゆらちゃん」



リビングから繋がる外のテラスでは、おじさんが鉢にフルーツトマトの苗を植えていた。

こうして見るとなんの変哲もない家族の休日って感じがして、温かい気持ちになる。



「そうだっ、サンドイッチ作らなきゃなんだった…!まだ時間大丈夫だよね!?」


「もう、お母さんがついでに作っちゃったわよ。こんな感じでいい?」



なんとキッチンには、色とりどりの具材が挟まれたサンドイッチが完璧に作られていた。