「今日で最後…、今日で最後…」



そして迎えた土曜日、AM:11:00。

噛み締めるようにワンピースに袖を通す。


今日までで可愛い服とはおさらばだ。

雅がどんなものを揃えてくれるかは分からないけれど、さすがにフリルの付いたワンピースなんかは選ばないだろうし。



「お母さん、今日もしかしたら夕飯いらないかも」


「あまり遅くならないようにするのよー?またメールして」


「うん、わかってる~」



髪も軽くヘアアイロンをかけて、ナチュラルにメイクをして、まるで彼氏とデートにでも向かうかのような気合いの入れよう。

今日が最後だから、存分に“女の子”を堪能することにした。


それに雅と初めてのお出かけだしっ!


雅はイケメン女子でもあるから、隣を歩く私もそれなりにしなきゃかなって。



「あ、おはよう七兎くん。朝ごはんフレンチトースト作ってあるからね」


「おはようナナちゃん!」