「うそっ、ゲットできたのメグミ…!?どこの本屋!?あたしの家の近くは全滅だったんだけど…!!」


「ふっふ~ん、見たい~?」


「見たい見たいっ、みんなで拝も!?」



それから案の定、10月末に出版されたaria10月号の売れ行きは、説明しなくても分かってしまうほどだった。

最京高等学校付近にある本屋さんに、駅前の本屋さん、とりあえずこの町の本屋さんでは手にできないレアものとなって。


朝からきゃあきゃあと、学校中が女子生徒の歓声と悲鳴で埋め尽くされた。



「ふーん?あの生意気クール王子がねえ」


「あっ!ちょっと雅…!今あたしたちが見てたんだから…!!」



女の子たちの集いからサッと雑誌を奪った雅は、興味なさげにパラパラとめくる。


私はいろんな意味で気を引き締めた学校生活を送っていることに、この友達ですらも気づいてはいない日々だ。

そんな私といえば発売日前、編集部さんから送られたという見本誌なるものをナナちゃんから直々に手渡された。


もちろんしっかりと2冊……、ではなく、なぜか3冊渡されまして。