「な、ナナちゃんってのがダメだった…?でも可愛くない?呼びやすいし、私はお姉ちゃんだから!」
「ねえ。そのお花畑な勘違い、迷惑だしウザいからやめてくんない」
「え…」
「俺たちは単に親が再婚しただけ。血のつながりがなければ、家族でもないから」
やはりこちらが本性。
これは人見知りとかシャイとか、そうじゃない気がする。
もっとギスギスというか、ここまでになった経緯がいろいろありそうだ。
「もしかして…なんか、女の子にトラウマとかあったりする…?」
「ほら、そーいうとこ。女ってさ、ほんとウザいくらい根掘り葉掘り聞いてくるよな」
「私はお姉ちゃんだから」とは、使えなくなってしまった。
でも吐いちゃうくらいだよ…?
なにかあったんだろうなって、さすがに思っちゃうよ。
「そうだね、不躾だったね。…ごめんね」
自分には反抗期が無かったから分からないけど、こんな感じなのかな。
いやでも、反抗期って言葉だけで片付けるのも違う気がするんだよね…。
小さく謝って階段を降りようとした私を、「単純に嫌いなんだよ」と、引き留めてきた。
「女っていう生き物がまず生理的に嫌い」



