クスクスと食卓に親ふたりの笑い声が重なった。
おっと、意外といいんじゃないの…?
家族っぽいよね?
新しいお父さんもメガネをかけた優しそうな人だし、お母さんもお母さんで幸せそう。
義弟くんは難しそうではあるけれど、今もお母さんお手製のグラタンを黙々と食べて───
「ひょわっ…っ!!」
「ちょっとゆら?どうかしたの?食事中よ?」
「あっ、ごめんなさいっ、美味しいなって、楽しいなって…、テンション上がっちゃって…」
「ふふ。問題なさそうで良かったわね圭一さん」
「ああ、これからみんなで助け合ってゆっくり家族になっていこう」
すっごい睨んできてる……!!!
ええっ、この団欒のなかであんなにも実は睨んでる人っている…!?
斜め向かい側、私に対して一直線に冷めきった視線を送りつづける15歳がひとり。
その隣に座った温和そうなお父さんと並ぶと、目をつむりたくなる現実があった。



