へへんっ、ちょっと姑息なのが世間のお姉ちゃんだろうから!



「…どーも」


「うん?聞こえなかったなあ~」


「……こいつ」



だって半径5メートル近く離れているわけなので、自業自得ってやつじゃない?

なんだろう、どうしよう、“おとうと”って可愛いかも…!!



「七兎くんは苦手な食べ物とかあるかな?」


「…ニンジンが」


「ふふ、本当に?そのグラタンに実はニンジンが入ってるって言ったらどうする?」


「え、…まじすか」



ふむふむ、嫌いな食べ物はニンジンだと。

そしてお母さんはナナちゃんの扱いを少しずづ分かってきていそうだ。



「さすが美和(みわ)さんは調理師と栄養士の免許を取得しているだけあるなあ」


「ふふふ、やだもう圭一(けいいち)さんったら」



仲睦まじそうな、ふたりの世界タイムが始まった…。

ここは子供の私たちは空気となろう。



「でもふたりが無事に仲良くなれたようで親として一安心だよ」


「そうね。昔から下の子が欲しいって言ってたけど…ゆら、七兎くんをそんなに振り回しちゃダメよ?」


「もちろん。だってお姉ちゃんなのでっ!どんなことからも守ってあげる」