お姉ちゃんになった私は、毒舌クール義弟を手懐けたいので。





《こうしておばあさんの隣で見守り続けたラッシーは、その数日後に天国へと旅立ちました。町のみんなで優しく埋葬をしてあげたそうです》



え…?

どうしてそのチャンネルで止めて音量まで上げたの…?


まるで「お前はこっち」と、わざわざご丁寧に教えてくれるように、彼は私を見つめてクイっと顎を動かした。



「……やっぱりそっちの意味、なの…?」



悪意がある。

むしろ悪意しか感じない、悪意だらけで悪意でしかない。


そしてあんな子だったのかと、ちょっとだけショック。



「ゆら、これ運んで。こっちが七兎くんのよ」


「あっ、うん…」



だとしても食器や箸も私とお母さんのぶんを揃えてくれていて。

ありがたいなあと思いつつ申し訳なさもあったりして、家族になるという実感がまだ湧いてこない。



「ゆらちゃん、七兎とは仲良くできそうかな…?」


「はいっ、もちろんです!」


「それはよかった」



なんて条件反射に元気ハツラツに答えちゃったけど…!

ごめんなさいおじさん、ちょーっとだけ厳しいかもです…。