お姉ちゃんになった私は、毒舌クール義弟を手懐けたいので。





しばらくするとジャーーッと水が流れる音、そしてさきほど以上の“この世の終わりフェイス”をして再登場しまして。



「くそ…、胃液しかでねえ……」


「は、吐いたの…?」


「換気、窓…、息すえねえ」


「と、とりあえず口直しにマドレーヌあるんだけど…食べる?」


「嘘だろ、これから毎日これ…?死ぬんだけど俺。父さんのやつ……俺まで殺してどーすんの」



はい、わかりました。

この子はどうにも、私の質問には基本応答しないスタイルらしいです。


マドレーヌは塵と化し、ワンピースを気にしていたことすら忘れ。


それから私の横をとてつもない速さで通り抜けて窓を開けた七兎くんは、釘を刺すように嫌々振り返った。



「俺の半径5メートル以内に入ってきた場合、……埋めるから」


「………」



なんかすごいこと言ってきた。

半径5メートルは近づくなってこと……?


この広々としたお家でも話しかけるたびに5メートルの距離というのは、さすがに生活に支障が出る気が…。