お姉ちゃんになった私は、毒舌クール義弟を手懐けたいので。





私が触った場所をパンパンと手で払いながら、青白い顔をしている七兎くん。


私はそこまで汚物のような存在ですか…?

おじさんが言っていた厄介な人見知りって、もしかしてこのこと…?


だとしたらやることはひとつだ。

気合いと根性でなんとかするっ!!



「きょ、今日からよろしくね…!城崎 ゆらですっ!私のことは呼び捨てでもいいし、なんだったら“お姉ちゃん”とかでも───…、七兎くん?」



口元に手を当てて、ぷいっと顔を逸らされてしまった。


もしかして照れてる…?
確かに年頃だもんね?

15歳と16歳だし、いきなり今日から義理の姉弟(きょうだい)って言われても困惑するよね。



「ふふっ、やっぱりすぐ仲良くなれそう!私もちょっと恥ずかしいけど、これからお姉ちゃんになんでも───」


「それ以上俺に近づいたら埋める」


「へっ」


「……むり、吐く、」


「え、」



ふらふらっと移動して、部屋を出ていった15歳の男の子は。

あろうことかそのままトイレへと駆け込んだ。