「あと2秒経ってたら確実に吐いてた…」
「ナナちゃん、もうここは気合いで乗りきろう…?」
「……どう考えても無理に決まってる。気合いとかの概念じゃねえし、しかもデート写真とか聞いてない」
「これできっと最後の撮影だから…!お相手がルーナちゃんだなんて、天使さんみたいな人だよ?」
「はあ?俺からすればドロッドロな悪魔でしかないけど」
うわあ…、ドロッドロな悪魔はね、つらいよね、うん。
悪魔だけだったらまだしもね、ドロッドロってね、そこに何がへばりついてるのって話になるもん。
「あいつは無理、なんかわかる。常に断りなく触ってきそうだし、いろいろ根掘り葉掘り聞いてきそうだし、ぜんぜん可愛くねえし、
生理的のなかでも頂点レベルで無理。蕁麻疹(じんましん)でる」
「えっ、そんなに…?だってルーナちゃんだよ…?ミスコングランプリだよ…?」
「あれで取れるんなら、そこらへんに生えてる苔(こけ)でも取れるだろ」
じんましんって、こけって……。
いったいナナちゃんってばルーナちゃんのこと、どんなふうに見えてるの。



