お姉ちゃんになった私は、毒舌クール義弟を手懐けたいので。





「ん…?十波くん…?顔色がよくない気がするんだけど…、大丈夫かい?」


「あー、わかる~。あたしも初めての撮影は緊張しちゃって貧血を起こしたくらいだから。
でも安心して?あたしがいろいろ教えてあげるから、ね?」


「………あ、むりだ」


「え?無理?」



ここで十波 七兎、限界突破。

ルーナちゃんの腕を振り払う勢いで、私にもたれ掛かってくる。



「ちょちょちょちょっ、あのっ、ちょっとすみません…!すぐ戻りますので…!」


「あっ、お姉さん!?十波くん…!?」


「なんか暑さにやられちゃったみたいです…!ごめんなさい10分ください…!!」



さすがにあのままルーナちゃんの前で最低すぎる態度を取りつづけていたら、明日には全国の中高生たち全員を敵に回すことになる。

と察した私は、ナナちゃんを連れ出して風通しの良い場所へ移動した。


近くの自動販売機でジュースを買って、一緒に腰かけて、背中を擦ってあげる。