この新企画は神谷さんが提案したものらしい。
だからこそ彼は編集部の期待を背負いに背負っているのだ。
「なっ、ナナちゃん…!」
「わっ、お姉さん…?」
カメラマンさんの斜めうしろ、バッと飛び出して彼の目線を引き付けたのは私。
「こっちこっち!いくよー?見ててね?」
いざっ、渾身の変顔……!!
いまだに誰にも見せたことのない必殺技、とうとうここでお披露目するときが訪れるとは。
いけっ、城崎 ゆら…!
かわいい義弟のためにもうひと踏ん張りだ…!
「……ふっ、」
「おお!十波くんが笑った…!お姉さんもう1回おねがい!!」
「はい…!おりゃあっ、どーだっ」
「…ほんと馬鹿じゃねーの」
カシャッ───!
意地悪に、呆れたように、だけど幼さもあって、放っておけない危うさを兼ね揃えているような。
見たひと誰もが目を奪われては意識を吸いとられる、のちにそんな表紙を飾った1枚は、こうして作られた。



