そんなに頑なに拒絶されると傷ついたりもするんだよ?
まだ足りないところがあるのかな…。
交換ノートで聞いてみようかな。
「うわあ…!本当に撮影現場に来ちゃった…」
───そして待ちに待った、当日。
いまだに信じられなかった。
なにを見てもどこを見ても、まるでドラマの世界にいるみたいだ。
いろんな撮影機材が準備されて、カメラマンさんにスタッフさん、アシスタントさん。
撮影場所もノスタルジックな街角や路地裏という抜群のロケーション。
どうにもそこは担当者さんがナナちゃんのイメージを考えて当てた場所らしい。
「十波くん入りまーす!」
「おお…、すごいの見つけてきたね神谷さん」
「そうでしょうそうでしょう…!まだどの事務所にも所属していないのがびっくりですよ…!」
着替えやメイクが終わって撮影現場へ向かってきたナナちゃんは、もはやナナちゃんではなかった。
カメラマンさんも驚きの声を上げて、アシスタントさんやスタッフさんも瞳を輝かせる。
神谷さんはへへんと、鼻を天狗にさせていた。



