「ほら、スポーツドリンク。飲めそう?」
「……ん」
だいぶ怠さは治まってきている。
寒気もそこまでひどくないし、咳だって止まって、ちょっとだけ頭痛が残っている程度。
「…試合、行けよ。俺はもう平気だから」
「今日はもうナナちゃんとの時間。雅の格好いいところは見れたから十分!」
「…あいつのこと、好きなの?」
「うん。好きだよ?」
なんだよそれ。
そんな当たり前な顔して言ってんじゃねえよ。
どこか腹が立って、俺は水分補給が終わると崩れるようにベッドに背中を預けた。
「じゃあなんで、…そんな服で行ってんの」
「え…?」
「好きなやつの試合なんだろ。…そんなクソだせえ服着てどーすんだよ」
ワンピース、本当は着たいくせに。
髪だって切って馬鹿みたいだ。
そんな似合ってない服で好きな男の試合を観に行くなんて、こいつほんと馬鹿だ。
なんでお前らは俺なんかのためにそこまでするんだよ。



