だったら俺だって嘘をついてやる。
ああ、こんな気持ちなのか。
誰かに嘘を言うときの気持ちって。
なんだ、思ってたより簡単なんだな。
『おかあさんっ、かみなりっ、かみなり光った…!』
『も~、何歳になったら平気になるのかなあ七兎は』
『だってひゃくまんボルトだよ?もっとだよ?そんなの死んじゃうもん…』
母さん。
俺、雷より怖いものを知ったよ。
それは信じていた存在に、信じたかった存在に、裏切られる瞬間。
雷なんか比じゃないくらいに恐ろしいんだ。
『よしよし、怖くないよ七兎。楽しいこと考えよ?』
『たのしいこと…?』
『そう!晴れたら何がしたい?大丈夫、お母さんがぜんぶのものから守ってあげるから』
そういえば誰かも同じようなこと言ってたっけ。
あいつは、嫌だ。
俺が心の奥に鍵をかけて忘れようとしていたことを、簡単にこじ開けようとしてくるから。
『うーーさーぎー、おーーいし、かーーのーーやーーま~~』
「こーーぶーなー、つーーりし、かーーのーーかーわ~~」



