お姉ちゃんになった私は、毒舌クール義弟を手懐けたいので。





でも確かにどんなに冷たくされても結局は許しちゃってる。

顔がいいっていうのもあるかもだけど、ふとしたときに優しいんだよね…。


この子の元カレさんと似ているところがあったりして。



「何よりわたしはそれ以上に…取り返しのつかない嘘で傷つけてしまいましたから。
きっとあれが、彼なりのわたしに対する仕返しだったんだと思います」



取り返しのつかない嘘…。


それを自分で分かっている時点で、この子は嘘をつきたくて言ったんじゃないと無関係ながらにも思ってしまった。


なにか理由があったんじゃないかな…。

この世の中で無意味に嘘をつく人間は、それはもう悪人しかいないから。



「あんなにも大切にしてくれていたのに裏切ってしまったのは私ですから。なので…当然の報いなんです。
でも誤解されたままは嫌だから、彼と思い出のあるこのお祭りで会えるんじゃないかって……今日も期待していました」


「つ、伝えよう…!」


「え…?」


「それっ、元カレさんに伝えようよ…!今の気持ちをちゃんと話せばきっと分かってくれるはず…!ねっ?」