あなたが婚約破棄されたいならどうぞご自由に。ですが、私の周囲は怒っているので覚悟をなさって下さい。私は私で王太子殿下に溺愛されてしあわせになりますので

 国王陛下は、やさしい笑顔で頭を下げた。

 こんなわたしに……。

「本当に、本当にこんな顔のわたしで……」
「アリサ、あなたもじれったいわね。顔なんて、白粉でどうとでも隠せるでしょう?これを機に、あなたも一歩踏み出しなさい。殻に閉じこもっているだけじゃなく、広い世界を見なさい。陛下のおっしゃる通り、自分に自信を持ちなさい。だって、こんなにあなたを一途に愛してくれている人がいるのよ。それは、あなた自身がすばらしいからでしょう?」