あなたが婚約破棄されたいならどうぞご自由に。ですが、私の周囲は怒っているので覚悟をなさって下さい。私は私で王太子殿下に溺愛されてしあわせになりますので

 王太子殿下の怒鳴り声に驚いたのか、わたしの腕からガブリエルの手が離れた。

 その瞬間、王太子殿下に腕をつかまれ引き寄せられてしまった。

「アリサ、ケガはないかい?」
「は、はい」

 火傷の跡をさらしたまま、王太子殿下とはじめて目と目を合わせた。しかも、こんなに至近距離で。

 不愉快な思いをさせてしまっている、ととっさに手が髪にのびようとして……。