あなたが婚約破棄されたいならどうぞご自由に。ですが、私の周囲は怒っているので覚悟をなさって下さい。私は私で王太子殿下に溺愛されてしあわせになりますので

 王太子殿下はわたしの言葉をさえぎると、すぐ近くの机から椅子をかついできてご自身の机の側に置いた。

「殿下、それでは近すぎて気が散ってしまわれます」
「あ……。すまない。そうだね。近すぎる。じゃあ、机をはさもう」

 慌てて置き直したが、さして大きくもない机をはさんでいるだけ。距離が近いことにかわりはない。