13:00 ピーコックラボ バースデーカード社内コンペ
会場はレターセットの時と同じ大会議室だ。
部屋に入った瞬間に驚いた表情をしたのは香魚子と目白営業部長だった。
なぜか司会進行役の席に(あまね)が座っている。
(なんで…?周さんが進行役なんて初めてじゃない?)
もっとも香魚子にしてみれば営業部が当番制で回しているものが周に回って来たのだろう…という程度のことを予想するだけで、すぐに納得できてしまう。
本当に驚いて、忌々しそうな顔をしているのは目白の方だ。
「なんで明石がそこに座ってるんだ?進行役は鴇田(ときた)のはずだろう?」
目白が怒鳴るように言った。
「目白部長、それがですねー、鴇田くんが喉傷めちゃいまして。ピンチヒッター明石が進行することになりました。」
周はマイク越しに飄々とした口調で答えた。
鴇田はマスクをして審査側の席で小さくなっている。
「鴇田は第二グループなんだから第二グループから代役を立てるのが筋だろう!」
周と鴇田は営業部内で所属するグループが違う。鴇田の所属する第二グループは目白が部長として管轄し、周の所属する第一グループはまた別の部長が管轄している。
「まあまあいいじゃないですか、同じ会社の仲間なんだから、助け合っていきましょうよ。ピーコック社として発売する商品を選ぶのに社内でケンカする必要なんてないですよ。」
周は煽るように言った。
「安心してくださいよ目白部長、鴇田くんから進行手順は“しっかり”聞いてるんで。」
周はにっこりと笑った。