落札/その2



『津藤律子さま、この度はお世話になっております。
早速ですが、明日の時間は、予定通りPM2時30分でお願いします。

正確な場所は、長野県大河原郡静町尾隠中158-1です。
ナビで約500メートル手前のトンネルまで来れると思うので、そこから直進して、左側にお地蔵さんが立っている場所で待っていてください。

地蔵の真後ろには、1本とんでもなく高い杉の木がありますので、多分間違えないと思います。
同行者の方、もちろんOKです。

あと、こちらの都合ですいませんが、雨天でも予定通りでお願いします。
どうしてもこの日に、代金受取りと受渡しをしたいので。

では、遠いところ大変恐縮ですが、お気をつけてお越しください

向井祐二』



ってわけで目的地、ネットの地図を調べると当然ながらストリートビューはないが、トンネルまではだいたい把握できた。

それにしても、えらい山の中だ。
でも大丈夫。

明日は高校時代の仲良し、美香が四駆で私を乗っけてってくれる。
しかも、迎えに来てくれる、無償で。
まあ、昼1食分は持つつもり。

さあ、美香と先方、えーと、向井祐二さんだったったっけ?
二人にメール入れて、はよ寝るとする。