僕は花の色を知らないけれど、君の色は知っている

そして予想通り、その日のお昼から、星羅は隣のクラスでお弁当を食べるようになった。

星羅っていうクラスの唯一のつながりをなくしてしまった私は、またひとりぼっちになった。

でも、こうなることは、どことなく想像できていた。

星羅が言っていたように、私たちは合っていなかった。

ただ余り者同士、傷を舐め合うように一緒にいただけ。

私は教室の真ん中の自分の席で、ひとりでお弁当を食べるようになった。

私と星羅の間に何かあったのを察知して、興味本位の視線を向けて来る子もいたけど、そもそも星羅は皆に嫌われている。

だから私に同情するような視線も多く、決して居心地のいいものではなかったけど、中学の頃よりはよほどマシだった。

心を無にしてしまえば、ぎりぎり教室にもいられる。

トイレで食べるような無様な真似はしなくて大丈夫そう。

だいじょうぶ、ダイジョウブ……。

味のしないお弁当を口に放り込みながら、私は何度も自分に言い聞かせた。

景色になってしまえばいいのだ。

机や、黒板や、掃除道具と同じような。

ガヤガヤと笑い声を響かせるクラスメイト側ではなく、無機質な景色側に染まってしまえばいい。

そうすれば、心の痛みなんて感じないはず。