僕は花の色を知らないけれど、君の色は知っている

自分でも聞いたことがないような、はっきりとした強い声だった。

私と星羅の間に、重い沈黙が流れる。

星羅に対して、否定的な言葉を吐いたのは初めてだ。

星羅はプライドが高くて、だからこそ人を見下す発言をするのだと思う。

そしてプライドの高さはきっと、自信のなさの裏返し。

だから私と星羅は、根本的には似た者同士なのだ。

違うのは、気が強いか弱いかだけ。

そしてそれは、大きな違いでもある。

「あ~、そっか。彩葉、いい子だもんね」

星羅が、乾いたような笑みを浮かべた。

「私、性格悪いから。きもいとか普通に言うし」

その瞬間私は、私と星羅をつないでいた今にも切れそうな糸が、ぷちりと微かな音を鳴らして離れたのを感じた。

気の強い星羅は、自分の考えに寄り添わない人を受け入れない。

そういう星羅の性格は分かっていたから気をつけていたけど、私は掟を破ってしまった。
ひび割れた空気が、私たちの間に静かに漂っている。

「前から思ってたんだけど、私らってあんま合ってないよね。ていうかこのクラス、マジで合う人いないんだけど」

突き放すような口調で、星羅が言う。

その瞬間、星羅が完全に私を排除したのを感じた。

崖のふちギリギリから、足を踏み外し、奈落の底に転落してしまった感覚。

でももう、私にできることは何もなかった。