僕は花の色を知らないけれど、君の色は知っている

〝くろすけ〟もよく空の写真を送ってくれた。

地上で人がどんなに思い悩もうと、いがみ合おうと、悲しもうと、空はいつも泰然としていた。

何事にも動じず朝昼夜を繰り返す空を見ていると、自分の小ささを思い知ると同時に、どこかホッとしたものだ。

茜色の空に、自分のスマホを向ける。

それから、写真部員の天宮くんにアドバイスを求めた。

「どうやったらきれいに撮れるの?」

「露出補正してみたら?」

露出補正とは、露出を下げると暗く、上げると明るくなる機能らしい。

天宮くんに相談して、露出を下げることで学校近くの家のシルエットを暗くして、夕暮れの空の色を強調させてみた。

撮れたのは、黒塗りのような家々のシルエットの間から、まるで後光が射すように茜色の光があふれ出ている写真だった。

「すごい、いつもと全然違う。さすが写真部!」