僕は花の色を知らないけれど、君の色は知っている

天宮くんが、箱や本に埋もれるようにして、棚に置かれたプリンターに視線を向ける。

こんなところにプリンターがあったなんてまったく知らなかった。

「本当? 借りてもいいの?」

「うん、好きに使っていいよ。二階堂部長には僕から言っとくから。じゃあ、今日さっそく届けに行く?」

「え? 今日?」

「うん、今日」

心の準備ができていなかった私は、一瞬躊躇した。

だけどここで先延ばししてしまっては、きっと決心がにぶってしまう。

いつもそうだ。

前に進むのを思い悩んでいるうちに、マイナスの方向に考えが引きずられて、結局何もできずに終わる。

――高安くんの小さな支えになりたい。

昨日もたげた思いを、世界をひっくり返す勢いで奮い起こした。

「分かった。じゃあ、準備するね」

それから私は、高安くんに送る写真を撮るのに必死になった。何がいいだろうと思い悩んだあげく、空の写真にする。