僕は花の色を知らないけれど、君の色は知っている

「……私も中学のとき、不登校だったの」

自分の暗い過去をさらしたとたん、ドクドクと心臓が不安げな音を刻んだ。

過去に不登校だったことをこの学校の人に話すのは、高安くんに続いてふたり目だ。

だけど思ったとおり、天宮くんはいつもどおりだった。

オーバーなリアクションも、哀れみもない。

そんな天宮くんの反応は、私の背中を後押しした。

「そのとき、すごくつらかったんだけど。SNSで支えになってくれた友達がいて。その子がよく、景色の写真を送ってくれたの。それだけですごく救われた気持ちになったから、高安くんにも写真を送りたいなって思って。おせっかいかもしれないけど、ひとりじゃないってこと伝えたくて……」

「いい考えだと思う。だったら、直に高安んちのポストに届けたら? スマホで撮った写真を、そこのプリンターで印刷して。それ、スマホの写真も印刷できるやつだから」