僕は花の色を知らないけれど、君の色は知っている

「救いたいって気持ちがあって、行動に移せたなら、それはすごいことだよ。相手のことを救いたいという思いはあっても、それは自分の役割じゃないって逃げるように決めつけて、見てるだけの人間の方が圧倒的に世の中には多いから」

初夏の夕暮れの空をバックに、頭ひとつ分の高さから、天宮くんが私を見ている。

その茶色の目が、あまりにもまっすぐで。

カメラを持っていないのに、なぜかカメラマンモードで。

いつもは挙動不審なだけに、真剣なまなざしがより深く胸に刺さる。

心を丸裸にされた気分になった。

彼の前では、自分を偽れない。

偽ったところで、その目がきっと見抜いてしまう。

私の弱いところも、みじめなところも、何もかも。

彼は正真正銘の、カメラマンだから。

そう感じたとたん、心を覆っていた鎧が弾け飛ぶのを感じた。