僕は花の色を知らないけれど、君の色は知っている

あのとき耳にした誰かの声が、聞いたばかりのように耳によみがえる。

もう何年も前のことなのに、鋭さを少しも損なわないままに、私の心をえぐる。

息が苦しくなって、私は泣きたくなった。

「私、高安くんに余計なことを言っちゃった」

高安くんの気持ちを考えずに、どうしてあんな軽はずみに発言をしたんだろう?

こんなむやみに人を傷つけてしまう価値のない人間、この世界から消えてしまえばいいのに。

「嫌な思いをさせてしまったと思う。でも、高安くんを放っておけなくて……」

目の前に広がるマリーゴールドの絨毯が、あんまりにもきれいで、自分の汚れた心が余計に身に染みる。

「そうかな」

天宮くんの落ち着いた声が返ってきた。