僕は花の色を知らないけれど、君の色は知っている

どこにでもあるような街角の公園の奥に、まさかこんな絶景が広がっているなんて思いもよらなかった。

人工的に整備されているわけではない、自然に群生したような飾らないきれいさが、すさんだ心を和ませる。

「すごいきれいなところだね。オレンジの絨毯が敷かれてるみたい」

「うん、そうだね」

天宮くんの声のトーンがなぜか下がった。

ちらりと彼に目を向けると、天宮くんの目が寂しげに揺らいでいる。

どうしてそんな顔をするんだろう?

「航が学校に来なくなったのは、去年の秋なんだ。はっきりとは分からないけど、いじめが原因なんじゃないかって言われてる」

自分の過去とリンクして、ズキッと胸が痛んだ。

クラス全員から向けられる白い目。

賑やかな教室の中で、自分ひとりだけが浮いている孤独感。

――『ねえ、お弁当持ってない? ここで食べたのかな』 『え、きも』