僕は花の色を知らないけれど、君の色は知っている

というより、抗う気力などなかったといった方が正解だ。

たどり着いたのは、路地裏の先にある公園だった。

入口で自転車を停めた天宮くんは、私の手を引いてどんどん奥に進んでいく。

ジャングルジムにブランコ、ゆらゆら揺れるパンダの乗り物、砂場。

子供たちの元気いっぱいの声が、ズタズタの心をしめつける。

遊具エリアを抜けると、生い茂る木々の先に、花畑が広がっていた。

ハッとして立ち止まる。

視界のすべてが、オレンジ色に埋めつくされていた。

突然現れた鮮烈な景色に、目が覚めたような心地になる。

ところ狭しと咲き乱れているのは、無数の花びらが折り重なる丸い形を作り上げている、マリーゴールドの花だった。

大小さまざまなそれらが、自由気ままに風に揺らいでいる。

「僕の気に入ってる場所。落ち込んだときによく来るんだ」

天宮くんが言う。