僕は花の色を知らないけれど、君の色は知っている

半分予想はついてたけど、実際になってしまうと胸が痛い。

私はしかたなく玄関から去ることにした。

だけどそのタイミングで、ガチャンとドアが開く。

ドアをわずかに開けて顔を覗かせていたのは、ボサボサ頭の男の子だった。

色白の肌に、ぽっちゃりとした体型、警戒あらわな表情。

きっと、高安くんだ。

驚いたものの、私は慌てて平常心を取り戻した。

リュックからプリントを取り出し、高安くんに渡す。

高安くんはプリントをちらりと眺めてから、怪訝な目を私に向けた。

「写真部……?」

「あ、私は写真部ではないんですけど、二階堂部長から預かったんです」

「はあ……」

高安くんが、さらにプリントを読み進める。

その顔にだんだん陰がかかっていった。

それもそのはず、部活の夏合宿のお知らせなのだ。

不登校の子に学校イベントを知らせるなんて、残酷きわまりない。