僕は花の色を知らないけれど、君の色は知っている

学校の知り合いに会うのが怖いという不登校生の気持ちがよく分かって、私はやるせなくなる。

学校に行っている人たちを見るだけで、自分のみじめさをさらに思い知るからだ。

勉強も、友情も、恋愛も、何もかもが遠いところにあるのに、当たり前のようにそれを手にしている人たちを目の前にすると、よりいっそう自分のクズさ加減を思い知る。

そして、消えてしまいたい衝動に駆られるのだ。

「もちろん、来ることを強制なんてせえへん。ただ、同じ写真部員として連絡を途絶えさせたくはないねん」

二階堂部長の目の奥の切実さが、身に染みる。

彼女はいつも明るくて冗談ばかり言っているけど、きっと優しい人なのだ。

だから私は、素直にうなずいた。

二階堂部長の言うように、私と高安くんにはなんの接点もない。

通えなくなった学校の制服を着ているわけだから嫌な思いをさせてしまうかもしれないけど、顔見知りの生徒が行くよりはいいだろう。

「……分かりました」

「ほんま? ありがとう~。助かるわ」