僕は花の色を知らないけれど、君の色は知っている

たしかに、さっきからほぼ二階堂部長しか喋っていない。

佐方と呼ばれた人は無口そうだし、天宮くんはカメラに夢中でほかのことが目に入っていない様子。

二階堂部長の苦労がちょっと分かってしまい、気の毒に思えてきた。

私も喋るのは得意じゃないけど、正直ここにいるふたりの男子よりは、二階堂部長の役に立てそうだ。

「……遠征先って、どういうところを考えているんですか?」

「いろんな花がいっぱいある、公園みたいなところがいいな思うてんねん。ほら、花ってやっぱきれいやし、カメラ映えするやろ? だけどそこまで遠くなくて、でもせっかくの遠征やし近くもないところかな。あと安く泊まれるとこ」

「それなら――」

パッと思い浮かんだ場所を、私は口にしてみた。

不登校時代、私が引きこもりになるのを防ぐために両親に週末になるたびに連れ出されていたので、このあたりのお出かけスポットには詳しいのだ。