僕は花の色を知らないけれど、君の色は知っている

彼女が話しかけたのは、いまだレンズ磨きに夢中になっている男子部員だった。

短髪でひょろっとした体型で、かなりの塩顔、そして黒ぶち眼鏡をかけている。

「ぜんぜん探してない」

「え~、探してって言ったやん!」

「俺、そういうの苦手だから」

「もー、頼りにならん副部長やなあ。私、関西出身やからこの辺のことよう分からへんのよな。天宮は探してくれた?」

「すみません、探してません。僕もそういうの苦手で」

「もお、どいつもこいつも頼りにならへんわ」

やれやれというふうにため息をつく二階堂部長。

同情を求めるようなまなざしが、私に向けられた。

「夏生さんだっけ? これで写真部ほぼ全員とか、終わってると思わへん?」

「あ……、写真部ってこんなに少ないんですか?」

「そう。あとひとりいてるけど、事情があってしばらく休んでる。いっつも私のひとり劇場やねん」