僕は花の色を知らないけれど、君の色は知っている

元不登校の私にとっては、学校なんてゆっくりできるところではなかったから。

自分を守るためになるべく周りから目を逸らして、一日が終わるのをひたすら待つだけの場所だから。

――カシャッ!

また、天宮くんがシャッターを押す音がした。

液晶モニターを確認しながら、上部にあるダイヤルを調整している。続いてレンズの周りを捻って、また液晶をじっと見ていた。

私には、どこをどういじったらどうなるのか、さっぱり分からない。

撮影をしているときの天宮くんは、これまでの挙動不審さが嘘みたいに真剣そのもので、彼のカメラに対する熱意が伝わってくる。

写真が、本当に大好きなんだろう。

夢中になれるものがあるって、なんかうらやましい。

二階堂部長がパソコンをパタンと閉じた。唸りながら伸びをしているから、作業が一区切りついたみたい。

「ところで佐方、夏休みの遠征先探してくれた?」