僕は花の色を知らないけれど、君の色は知っている

もうどうにでもなれ、というやけっぱちの気持ちで、指定されたその場所に立った。

半開きの窓から入り込んだ夕方の風が、黒いカーテンを揺らしている。

それ以上は細かな指示は何もないまま、カシャッカシャッとシャッターを押す天宮くん。

どうしたらいいか分からず、私はうつむいたり、ちょっとだけ彼の方を見たりした。

顔に火が付きそうなほどに恥ずかしい。

写真のモデルなんて、身のほど知らずにもほどがある。

たぶん、この学校で一番向いていない人材なんじゃないだろうか。

天宮くんは、百パーセント人選をミスっている。

深いことは、あまり考えないタイプの人なのかもしれない。

私なんかを撮っても、いい写真なんて撮れるわけがないのに。

二階堂部長ももうひとりの男子部員は、私たちのことなんてどうでもいいというふうに自分の作業に没頭していた。