僕は花の色を知らないけれど、君の色は知っている

「見学じゃなくて、ポートレイトのモデルをしてくれことになったんです」

「ああっ、そうなん? よかったやん。えーと、天宮と同じ二年生?」

「はい。二年の夏生です」

「わたし、三年で部長の二階堂蛍(にかいどうけい)。よろしくね~」

カラッとした笑顔で自己紹介をした二階堂部長。

すんなり受け入れられたところから考えるに、ポートレイトのためのモデルを呼ぶのは、珍しいことではないみたい。

モデルを探していた天宮くんは、放課後さっそく帰ろうとしていた暇そうな私に、適当に声をかけたのだろう。

それを彼女になってほしいという意味にとらえていたなんて、改めて考えてみても恥ずかしい、穴に入れるものなら入りたい。

「じゃあ、そこに立ってもらっていい?」

天宮くんカメラを手にして、窓の脇あたりを指差してくる。