僕は花の色を知らないけれど、君の色は知っている

日本語って難しい。

そして、自意識過剰になっていた自分が死ぬほど恥ずかしい。

燃えるような恥じらいを誤魔化すように、やや大きめの声を出す。

「そ、そう。そうなの!」

勢いで答えたものの、すぐに後悔した。

ポートレイトの練習に付き合うってことは、よく考えてみたら、モデルになるってこと?

やっぱり無理。ぜったいにムリ。

そんなキャラじゃない。彼も、何を思って私なんかを選んだのだろう?

しばらく考え、やっぱり断ろうと口を開いたとき、天宮君の表情が目に飛び込んでくる。

瞬間、吸い込まれるように引き寄せられていた。

一眼レスカメラを手にした天宮くんが、まっすぐな目で私を見ていたからだ。

やたらとおどおどしている彼とちゃんと目が合ったのは、これがきっと初めて。

そのことになぜかドキリとして、言葉が返せなくなっている自分がいた。