僕は花の色を知らないけれど、君の色は知っている

お昼のお弁当の時間。ガヤガヤと教室中がざわめいている。

今日は星羅が休みだった。

クラスに友達がひとりしかいないと、こういうときにぼっちになってしまう。

特に、お弁当の時間なんか拷問でしかない。

「この動画見て。ウケるんだけど」
「ねえ、今日カラオケ行かない?」
「えっ、亮くんと付き合ったの? うっそ~、マジ?」

自分の席で黙々とお弁当を口に運ぶ私の耳に、クラスメイトの楽しげな話し声が容赦なく飛び込んでくる。

私の席は教室のど真ん中だから、余計にタチが悪い。すみっこだったらもう少し、気が楽だったかもしれないのに。

中学校のときのトラウマがよみがえって、かすかな息苦しさ覚えたけど、だいじょうぶ、と何度も自分に言い聞かせた。

だいじょうぶ、だいじょうぶだ。

あの頃にくらべたらずっとマシ。

今の私は、目立つグループからつまはじきにされた、みじめな人間なんかじゃない。