僕は花の色を知らないけれど、君の色は知っている

そんなふうに考えるようになったある日、思いがけない真実を知る。

「天宮くん、天宮陽大くん!」

移動教室からの帰り、四組の教室の前で声高に叫ぶ女の先生の声を聞いて、とっさに足を止めた。

天宮陽大。

たしか、あの白黒写真を撮った人の名前だ。

すぐに忘れると思っていたけど、ギリギリ覚えていたみたい。

「職員室まで来てください」

興味を持った私は、何気ないふうを装い、天宮陽大らしき人が教室から出てくるのを待った。

そして、廊下に出てきた黒髪で背の高い彼を目にして、息が止まりそうになる。

その人は数日前、ゲリラ雷雨のような告白をしてきた、あの彼だった。