僕は花の色を知らないけれど、君の色は知っている

『付き合ってください』

彼女は気づいていないようだけど、あれは本当は、僕の一生に一度の大告白だった。

徐々に色鮮やかになっていく彼女をカメラに収める日々は、これ以上ないほど幸せだった。

『僕に色を教えてほしいんだ』

そんなふうに、無理やり彼女と一緒にいれる口実を作ったこともある。

夏が過ぎ、そして秋がくる。

僕のカメラの中には、少しずつ鮮やかになっていく夏生さんの姿がたまっていく。

過去につながりがあったことを知ってから、彼女は僕を避けるようになった。

悲しかったけれど、いい機会だとも思った。

いずれ死ぬ僕と関わっても、彼女を悲しませるだけだから。