僕は花の色を知らないけれど、君の色は知っている

言ったところで、目立たない僕のことなんか覚えていないだろうけど。

父さんのカメラで写真を撮るようになったのは、その頃からだった。

彼女と何かを共有したかったからだ。

そのうち僕は、カメラにハマっていった。

撮った写真を加工して、見たままに近づける。

自分の見ている世界を形にすることで、世の中に知ってもらいたかった。

周りと同じようにできない欠落品でも、こうして息をしていることを。

SNSのやり取りから情報を得て、夏生さんと同じ高校に入学した。

再会した彼女の色は、薄ぼんやりとしたままだった。

彼女が再び鮮明に色づく日を願いながら、目で追い続ける日々。

そして余命を宣告されたあの日、僕はもう一度彼女を鮮やかに輝かせようと、固く胸に誓った。