僕は花の色を知らないけれど、君の色は知っている

三年一組の、夏生彩葉。

その子の名前を知ったのは、それから数日後のことだった。

僕と違って夏生さんは、いつも大勢の友達の中にいた。

大きな声で笑って、ときには男子と喧嘩もしていた。

喜怒哀楽は、いつ見てもはっきりしている。

僕は自分の持っていないものを渇望するように、夏生さんを学校で見かけるたびに、目で追うようになっていた。