僕は花の色を知らないけれど、君の色は知っている

奇病を持って生まれてきた僕に、母さんは過保護だった。

病院をはしごしたり、霞病に関する本を読みあさったりについて検索したり、僕を育てるのに必死だった。

母さんの疲れたような顔を見ていると、自分がとんでもなく悪いことをしているような気分になった。

僕はやっぱり、周りに迷惑をかけてばかりの欠落品なのだ。

劣等意識から内向的な子供になった僕の唯一の味方は、父さんだった。

『人と違うことを恥ずかしがるな。人と違うのは、神様が特別に作ってくれたあかしなんだよ』

自分への劣等意識で気持ちがふさぎ込んでいるときも、父さんと話すとあっという間に気持ちが昂った。

『俺はずっとお前の味方だ』

父さんは、第一線で活躍するカメラマンだった。

父さんの部屋には高そうなカメラがずらりと並んでいて、まるで博物館のようだった。

カメラを構える父さんはかっこよかった。

かっこいい、憧れの、僕の唯一の味方。