僕は花の色を知らないけれど、君の色は知っている

私は彼女が写真を送ってくるたびに、短い言葉でそれに返事をした。

《きれいな空だね。》
《うちから見える景色によく似てる。》

彼女とのその端的な交流は、一年も続いた。

《前に言ってた青里高校、合格したよ。怖いけど、春から高校通う。知り合い誰もいないし、何とかならないかな。》
《そっか、がんばって。》

考えてみれば彼女は自分のことを不登校だとは言っていなかったように思う。

だけど、不登校アカウントだから同類なのだろうと、当然のように思い込んでいた。

それに、女子だとも言っていない。女子の私に話しかけてきたのだから同性だろうと予想しただけだ。

《始業式終わった、なんか場違いなかんじ。》
《おつかれさま。桜きれいだね。》

そんなやり取りを最後に、〝くろすけ〟からはメッセージがこなくなって、いつのまにかアカウントが消えていた。

――〝くろすけ〟は天宮くんだったんだ。