僕は花の色を知らないけれど、君の色は知っている

「絶対にどこにもいかないから。天宮くんはひとりじゃないから」

ちっぽけな私の温もりで、孤独な彼の心を少しでも満たすことができたらいいのに。

「私はここにいるよ」

天宮くんがシャッターの音で奮い立たせてくれた私は、ここにいるよ。

「ずっとずっと、天宮くんのそばにいるよ」

前よりも強くなった私が、今度は君を守るから。

だから悲しまないで、怖がらないで、ひとりにならないで。

「うん……」

か細い声でつぶやいた彼は、私の背に両手を回して、きつく抱きしめ返してきた。

思いもしなかったほど大きな温もりに包まれて、なぜだか泣きそうになる。

この世界に、こんなにも優しい温もりがあったなんて、生まれて初めて知った。

お互いの弱さと強さ、すべてが溶け合って、心が満たされて、あとのことはどうでもよくなる。

天宮くんがここにいて、私を必要としてくれるなら、もうぜんぶがどうでもいい。