僕は花の色を知らないけれど、君の色は知っている

わくわくしたように天宮くんが言って、ソファーに座る。

私は緊張しつつも病室の端に行って、本番さながらに起立した。

不登校時代の赤裸々な気持ちを、ところどころつっかえながら読み上げる。

天宮くんは、原稿を読み上げる私を、一秒たりとも目を逸らさずに見ていた。

彼の真剣なまなざしは、いつも私の心に刺さって、電流が流れたみたいに背筋をシャキンとさせる。

正直、先生に聞いてもらうよりずっと緊張した。

読み終えたとき、天宮くんは小さく拍手をしてくれた。

喜びと気恥ずかしさがないまぜになって、顔に熱が集まる。

「夏生さんのそのスピーチを聞いて、きっとたくさんの不登校の子が救われるんじゃないかな」

「そうかな、自分ではよく分からないけど……。そんなにうまくいくとも思わないし」