僕は花の色を知らないけれど、君の色は知っている

「あまりそういうの得意じゃないんだけど、先生に誘われて出たいと思えるようになったの。こんな機会、もう二度とないだろうし」

とはいうものの、スピーチの練習をするたびに、一斉に向けられる聴衆の視線を想像して怯んでいた。

元不登校でコミュ障の私には、思った以上にハードルが高かった。

「不登校時代のことを話すから緊張しちゃって……」

正直、出場を決めたことを後悔する日もあった。

でも今さらあとには引けなくて、どうしたらいいか分からないでいる。

すると私の心の動揺を見抜いたみたいに、天宮くんが優しい笑い方をした。

「大丈夫だよ、僕も見に行くから」

「ほんと? 来てくれるの?」

思いがけないことを言われ、パッと表情が明るくなる。

天宮くんが見ていてくれるなら、心強い。

彼の視線を感じると、私の弱い心が奮い立つから。

「入院中だろうけど、一日くらいなら外出許可出してもらえると思う」