僕は花の色を知らないけれど、君の色は知っている

不登校の子に定期的に写真を届けるなんて、余計なことをしたんじゃないかと、怯えてしまう。

そんなつもりはかったけど、学校に来てと催促されているかのように高安くんが感じていてもおかしくはない。

あの頃は、どうかしていた。

天宮くんと関わるようになって、自分が変われるんじゃないかと錯覚していたのだ。

自分と同じように学校に行けなくて苦しんでいる高安くんの、心の支えになれるんじゃないかと。

だけど不登校の頃の暗い気持ちに引きずられている今の私は、そんな気持ちにはなれなかった。

余計なことをした、とばかり考えてしまう。

どうしよう、逃げ出したい。

高安くんと話すことなんてない。

適当なことを言って部室から立ち去ろうと一歩後退したとき。

「その……」

高安くんが、声を絞り出すように言った。

「写真、どうして持って来なくなったの?」

高安くんの陰のある瞳が、じっと私を見据えている。